今こそ最貧国に手を差し伸べる時
IMF Blog, March 31, 2023
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- 今こそ最貧国に手を差し伸べる時
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- Authors: Kristalina Georgieva
- Published: March 31, 2023
背景と課題
- 低所得国はパンデミックをはじめとする一連の経済的打撃により、融資の欠如、高インフレ、恒常的な食料不安、債務脆弱性の増大、社会政治的緊張など複合的な課題に直面している。
- IMFは低所得国の成長率予測を下方改定しており、低所得国における一人当たりの所得の伸びは先進国に追いつくために必要なペースを一段と下回っている。
- 至急対策を講じて支援を増強しない限り、低所得国が現状を巻き返せる見込みは殆どない。
PRGTの役割と実績
- PRGT(貧困削減・成長トラスト)は無利子の融資を提供する制度で、適切に設計された経済プログラムを支援するための資金調達を促進し、債務処理の環境整備やショック発生時の迅速な緊急支援にも寄与する。
- パンデミック以降、IMFはPRGTによる約240億ドルの無利子融資を通じて、50か国を超える低所得国を支援した。
- 2020年には新規コミットメントが90億ドル(65億特別引出権(SDR))近くに達した。
- PRGTの融資需要は2020-2024年に400億ドル(300億SDR)に迫ると予測されており、これは過去平均の4倍を超える水準である。
資金ニーズと不足
- IMFの試算:低所得国の成長を加速させ、先進国との所得格差を縮める軌道へ戻すには、2026年までの5年間に約4,400億ドルの追加融資が必要である。
- PRGTの資金調達戦略に必要な金額:
- 融資財源:約169億ドル(126億SDR)
- 補助金財源:31億ドル(23億SDR)
- これまでの状況:
- 融資財源は目標額の約4分の3まで拠出の誓約がある。
- 補助金財源は半分にすら達していない。
- PRGTの補助金ニーズは、IMF支援の記録的需要と金利の急上昇によりさらに高まっている。
- 行事と期限:
- 春季会合中の4月12日に譲許的融資に関するドナー国と被援助国の特別セッションが予定されている。
- 今年10月にモロッコで開催される年次総会までに、合意済みの資金調達目標を達成するために追加の誓約が至急必要である。
債務問題と国際協調
- 低所得国の債務脆弱性:
- 既に約15%が過剰債務に陥っている。
- さらに45%が過剰債務に陥るリスクが高い。
- 債務再編を困難にしている要因:
- 債権者の内訳の変化により債権者が多様化しており、調整メカニズムが概して不完全であること。
- 地政学的な分断が国際的コンセンサスを得ることを難しくしていること。
- 必要な取組み:
- G20の債務処理のための共通枠組みの実施を加速させ、債権者と債務国の間で調整と信頼を確保すること。
- チャドの成功例から得られた初期の教訓をガーナとザンビアに応用することで進展を促進する可能性がある。
- IMF、世界銀行、インド(G20議長国)が開始した「グローバル・ソブリン債務ラウンドテーブル」は、主要利害関係者間でのコンセンサス形成に寄与する可能性がある。
- 春季会合の4月12日はこのラウンドテーブルの全参加者(債権者・債務国)が一堂に会する日である。
政策提言と行動要請
- 富裕国の責務:
- 経済的に余裕がある国は、トラストの財源に貢献する責任がある。
- 富裕国はIMFや世界銀行など多国間機関への拠出、または二国間開発計画を活用して貧困国を支援できる。
- 政府開発援助(ODA)は未だ国連目標の対GNI比0.7%に達していない。
- 早急な資金拠出の要請:
- 加盟国は一致団結し、脆弱な国々への支援を強化する必要がある。
- PRGTへの資金拠出は貧困国支援を強化する最良の手段である。
- IMFの役割:
- IMFはあらゆる開発パートナーとの協働を継続し、貧困国における経済・金融安定性の構築に努める。
- 春季会合中の4月12日に予定される特別セッションを通じて、譲許的融資の重要性を強調する。
出典: クリスタリナ・ゲオルギエバ、2023年3月31日の記事